自閉スペクトラム症

対人関係・コミュニケーションの障がいとされている自閉スペクトラム症は、その70%が知的な遅れを伴い軽度から重度まで幅広い障がいといわれています。人間関係作りに難しさを抱えることが多く、また見通しが立たない状況に対応するのが困難と言われています。興味への偏り・パターンへの固執(こだわり)なども見られます。自閉スペクトラム症の原因は不明な部分が多いですが、遺伝子や胎生期に何らかの原因で脳の一部に機能的障がい生じたことと考えられています。昔に言われていたような、愛情不足や育て方は関係ありません。

自閉スペクトラムについての固定観念が変わる本として、
重度の自閉症である東田直樹先生が書いた「自閉症の僕が跳びはねる理由」が有名です。
漫画でいうと「光とともに‥」もよく知られています。

興味があれば是非お読みください。

 

◆高機能自閉症とは?

知的な遅れを伴わず、社会性、コミュニケーション、こだわり等の行動面に障がいを持つ自閉スペクトラム症をいいます。
今回は発達障がいに近い比較的新しい高機能自閉スペクトラム症について取り上げます。

◆保護者の気付きのケース

障がいは年齢によって特徴が変化する傾向にあります。 (高機能自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)

- 子どもの発達ごとにみられる特徴 -

① 5歳前後 乳児期
特徴や大小は有りますが、おおむね3歳位までに「3つの基本的な特徴(社会性・こだわり・コミュニケーション障がい)」が見られます。アスペルガー症候群は高機能自閉スペクトラム症と違い言葉の遅れがあまりありません。保護者との関係は良好であっても、幼稚園・保育園等での社会性の欠如が見られるようになります。(保護者との関係が良好なため、案外小学生になるまで気づかないケースも多々あります。)
② 6~9歳 小学校低学年
高機能自閉スペクトラム症とアスペルガー症候群の区別は難しくなります。こだわり等を原因にパニック、集団になじめないことが目立ち始め、行動面、コミュニケーション面でのトラブルが見え始めます。担任の先生が「気になる子」と認識していることもあります。
③ 10~12歳 小学校高学年
独り言が目立つ場合や、いわゆる「空気を読む」ことが苦手で、冗談などを理解することも難しく仲間とうまく付き合うことが難しくなります。人によってはアニメやマンガ、youtube、スマホ、ゲーム等の非現実的な世界に没頭するようになることが多々あり、引きこもりや不登校の原因になる可能性もあります。
④ 13歳~  中学校以後

思春期のこの時期には周囲との関係において大きく2つの種類に分けられます。

■ネガティブで大人しい従順なタイプ
与えられたことを黙々とこなすため、社会適応は比較的良好。内にストレスが溜まりやすく二次障がいになる可能性もあります。
■ポジティブで活動的なタイプ
社交的で明るく見えるが、場の雰囲気に合わない発言「空気を読めない」等のコミュニケーション上での問題を生じることがあり、思春期に入って敏感になった感情が空回りしたり、思い込みが激しくなっていく傾向が見られます。不得意な会話をからかわれたり、いじめに合ったりするとこの傾向がより強くなり、ひどくなれば幻覚や妄想を生じることもあります。
不適応を背景にうつ状態になることがあります。気分が落ち込む、やる気が出ない、睡眠が取れない、頭痛・倦怠感などの身体症状が出現します。二次障がいになることもあります。

◆学校での対応

関わりのある教員が当事者の特性を正しく理解し、「当事者の体験から考える」という視点が大事です。
学校においては当事者の強みを理解し、活かして学校内で成功体験を重ねていきます。
また学校での人間関係をできる限り安定した状態に保つことと、部活動や学校以外での居場所づくりや人間関係も同時に作っていくことも大事になります。

◆デイでの対応

少人数で安心できる場所を確保することで、安定的なコミュニケーションスキル向上をめざします。
当事者の特性の中での弱みを補うことで、社会生活の幅を広げられる活動を行っていきます。
また、学校での勉強を補う学習支援も行っていき、成績も安定するように支援します。
学校や家庭以外での安心できる居場所があることは本人が壁にぶつかったとき大きな強みになると考えています。

小学校の間に多くのことを克服したり、中学校で部活に参加することできるようになると受給者証を返却してデイを卒業するケースも多いです。