ADHD(注意欠陥多動性障がい)

不注意・衝動性・多動性があるといわれており、見た目からはわかりにくいため色々な場面で大人から叱られることが多いとされています。
二次障がいに及ぶケースもあり、叱られて自信を失い自分を卑下したり、長年達成感や成功体験がない状況が続くと不安症状やうつ症状を併発する恐れがあります。それが原因で不登校、引きこもりとなるケースが確認されています。
決してしつけが悪いことが原因ではなく、現在でも原因が明確にわかっているわけではありません。

◆保護者の気づきケース

-子どもの発達ごとにみられる特徴 -

① 0~1歳 乳児期
かんしゃくを起こしたり抱かれることを嫌がることがあり、育児における疲労感と困難さを感じる。
② 1~3歳 幼児前期
多動性により保護者にとって気の休まるときが少なくなり、他の子どもとのなんらかの違いの感覚を覚える。わがままで言葉も遅く、対人関係面でも乱暴さが目立ち、保護者が子どもに対する否定的な感情が強まることがある。
③ 3~6歳 幼児後期
衝動的行動、集団行動が取れない、注意がとおらないなどが周りから聞かれます。言葉が急激に伸びてくる時期で思ったことをすぐに口に出してしまう困った言動も目立ちます。チックや吃音(どもり)などが出たりもします。
④ 6~12歳 学童期
コミュニケーションが下手、いじめ、いじめる等で仲間外れになったり、子どもが劣等感を感じることも増えてきます。学習低下を招くこともあり、自尊心が傷つくことも多々あります。学校や家庭で、怒られることから逃れるために嘘をついたり、自傷他害、時には非行が出ることもあります。ADHDの症状よりも情緒・行動上の二次障がいが目立ってきます。
⑤ 12歳~18歳 思春期

思春期になり二次的な問題は複雑化し、学習意欲低下、無気力さ、投げやりな態度が出てきます。保護者や大人との衝突も多く見られるようになり不登校、引きこもり、自傷行為等が見られます。生きることのしんどさ、低い自己評価観が鮮明になる時期です。

 

◆学校での対応

 当事者を理解することから始めて、「努力不足」「怠け者」というレッテルを貼られないような雰囲気づくりが重要です。学校での予定を「見える」かたちで提供し、注意できるような同じパターン(道筋)をつくってあげることが効果的です。

◆デイでの対応

 当事者が落ち着ける環境づくりをした後、ハンモックなどの感覚器具を利用して感覚を刺激するなどして、当事者の難しさにアプローチしていきます。また、仲間との工作、おかし・パン作りをして成功体験を積み重ねることで自信と意欲向上をしていきます。個別学習支援も同時に行い、学校の勉強に最低限ついていける力をつけていきます。