発達障がいとは?

発達に関する障がい(発達障がい)

発達障害支援法に基づいた取り組みがスタートし、これまで制度の谷間にあった「発達障がい」に光を当てました。自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群、ADHD、LDなど言葉が行きかっているため、インターネットや書籍で調べて発達障がいの特徴を捉えるのは容易になってきましたが、実際のところの対応や社会環境は追いついていません。また得られる情報に関しても、あくまで一例であり、人が1人ひとり違うように、人によって障がいは多様です。能力や興味がアンバランスであることは多くの人に共通しており、その大きさにより「個性」とされたり「障がい」とされます。そのため早い段階で周囲の理解を獲得し、能力を伸ばしたり補ったりする療育を行うことが非常に大切です。

以下発達障がいの代表的なものの概要です。(学校、家庭、デイでの対応などは後日別ページで更新します。)

◆自閉スペクトラム症

自閉スペクトラム症には3つの特徴があります。

① 社会性の障がい
―他者との関係を作ることが苦手です。身体を触られるのを嫌う、一人でも平気、視線が合わないなどの特徴があります。
② コミュニケーションの障がい
―他人に意思を伝えるのが苦手です。言葉の発達の遅れなどの言語障がいも伴います。年相応のマネごとをしない、ごっこ遊びをしない等言葉以外の部分で遅れがある場合もあります。
③ こだわり等の行動の障がい
―限られた同じ動作を繰り返す傾向にあります。特徴として同じものを執拗に収集したり場所や時間、道順を変更できない、水道の水に手をずっとつけて刺激を楽しんだりすることもあります。

自閉症の大半は知的な遅れを伴うものだと近年まで言われていましたが、最近、知的な遅れの無い自閉症の存在が分かってきました。これが高機能自閉症と呼ばれるもので自閉症の特徴を持ちながら境界知能以上の知能を持つ場合を指します。(※知的な遅れとはIQ70未満とされ、IQ80以上が正常であり、IQ70~80は境界知能と言われています。)

◆アスペルガー症候群

よく耳にするこの用語も自閉スペクトラム症の一種です。アスペルガー症候群は知的な遅れがなく(IQ70以上)、自閉スペクトラム症の3つの特徴のうち、コミュニケーションと言葉には遅れが無いものを言います。4千人に1人の割合で存在し、男性が多いとされます。発達障がいであり治療するものではなく、個性として捉えていくべきものです。社会性や想像力が乏しい反面、特定のものに対する集中力や記憶力などが優れている例も確認されています。

◆ADHD(注意欠陥多動性障がい)

注意力の障がいと多動・衝動性を特徴とする行動の障がいのことを指します。

①注意障がい
注意が持続できなかったり、ものをよく無くしたり、毎日の決まった行動を忘れてしまったりすること
②多動性
授業中座っていることが難しいことや、手足をそわそわ動かして落ち着きがないようにみえること
③衝動性
順番を守ることができなかったり、話しを最後まで聞けずに自分の話を始めてしまうこと

の症例が半年以上続き、周りの人間関係に不適応を起こして生活上のなんらかのサポートを要する状態を発達障がいでいうADHDとします。決してしつけが悪いことが原因ではなく、現在でも原因が明確にわかっているわけではありません。

◆LD(学習障がい)

 大きく知的発達が遅れているわけではないのに学習面で不均衡な理解や、つまづきを持つ子どもがクラスに1人ふたりくらいはいましたが、そのような学習面で障がいをもつことを指します。原因は中枢神経系の機能障害で、多様な症状を表す複雑な状態といえます。見た目にはわかりにくいため、学校、周りの人からの理解が進まないことから援助を受けることもできにくいのが現状です。そのため、本人の「努力不足」「なまけ」とされて不登校や引きこもり、鬱状態などの二次障害の危険性があるといわれています。個性とも言えますが、支援が必要となるため障がいと位置付けられています。